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弓月 舞 after story 集
第4章 もしも企画《 教師編 》第二弾

またこいつか
「…何だ?人生相談か」
「違いマスよ。ジャージ、忘れたんで」
「何度目だ…」
上裸で入ってきたこの生徒の、名は……ああ
なんだったか。
そうか篠田、零か。
手元にあったジャージ貸し出しの名簿を見ると、昨日の欄にその名が記入されている。
「ジャージくださいよ、先生」
「自分で探せ」
「見当たらないんですけど」
「……ああ」
上裸の零は保健室を横切り、予備の体操服が入っている引き出しの中を探している。
しかし目当てのものが見付からないようで、不満な顔で市ノ瀬に振り返った。
そういえば、予備は全て貸し出し中だ。
「見当たらないなら無いということだ」
「えー」
「第一に、昨日貸したジャージはどうした」
「だから忘れましたって」
平然と言ってのけるこの生徒に、市ノ瀬もわざわざ貸してやろうとは思わない。

