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弓月 舞 after story 集
第4章 もしも企画《 教師編 》第二弾
さりげなくストライプのきいた青系のシャツに
紺色のセットアップベスト。
長いブロンド髪は後ろでくくり
手に持つ細長い指示棒は、さながら剣のよう。
彼は今学期から赴任してきたばかりの英語教師。
名はクロードである。
フランスの名門貴族の出身と聞いたが……
「…また…、よくこの暑さでベストなんかを着ていられるな」
「ヨーロッパでは古くから、ドレスシャツは下着と同類です。……貴公は、下着姿で人前に立つことに抵抗がないと?」
「…っ…知らん。俺は日本人だ」
服へのこだわりは確かに、日本人のそれとは違う。
「……私の生きた時代、…ベストはまだこの様な形をしておりませんでしたが」
「……何か言ったか」
「Non……何でもございません」
「先生、そーいう話、今はTabooですよ」
「クスッ…失礼」
クロードの呟きは二人の地獄耳にみごとに筒抜けだったが
今のは聞かなかったことにしよう。