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恋花火***side story
第3章 ABC-Z
沢田ユズキと付き合いを始めて1ヶ月もすると、「もうエッチした?」


友人たちからそう聞かれることが増えた。


「……まだ。」

「マジかよー。もったいねー。」


友人たちは皆口を揃えて、"SEXは気持ちいい"と言った。


俺も正直に言えばいいのに、言えない。


本当はもうしたけど、ちっとも気持ちよくなかった、と。


SEXを楽しめていない自分は、周りよりも劣っているのか?そんな風に思い


俺はみんなに嘘をついた。







「……陸が男になってしまった……」


なぜだか茜には即バレ。


「なんでわかんの!?」

「なんかオスの匂いがしゅる……」

「こえーよ!!」

「どうだった?」

「……実はさ。」


見栄を張り、誰にも言えなかった本当のこと


茜には自然に言うことが出来た。


それはたぶん、この子は笑ったりバカにしたりしないだろうなと思えたから。


「仕方ないよ。始めはみんなそうだと思うよ?」

「……そうなのかなぁ。」

「味をしめたらやめられなくなるよ、きっと。」


それはなんとなくだけどそう思う。


口でされるのはハマっちゃったしね。


「とりあえず避妊はしっかりね。」

「うん。」


だけどしたくもないSEXのために避妊具を用意する気にはなれず、準備はしなかった。


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