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恋花火***side story
第3章 ABC-Z
それから夏休みになり、沢田ユズキと会う機会は激減した。


夏休みなのになんで会えないの?って言われたけど


仕方がない。


サッカーが忙しい。


朝から晩までサッカーボールを追いかけて


ぶっちゃけ女の子と遊んだりするよりも夢中になれる。


会う時間がなかったわけじゃないけど、少しの時間があれば自主練したりしていた。


「あ。」


階段ダッシュしていたら、例の場所では茜が一人でベンチに座っていた。


「あかねー」


話しかけると、茜はビクッとして振り返った。


「陸あんたほんと走るの好きだね。」

「あ、うん。」


茜はいつも通りに話してきたけど


俺はいつも通りに出来たかちょっと自信がない。


……なぜなら、茜の目には


うっすら涙が浮かんでいたから。


ひょっとして、泣いた?


「どうしたの?なんで泣いてんの?」


なにも考えずに問いかけると、茜は険しい顔をしてきた。


「…こういう時は知らないふりしといてよね。」


そう言って、笑ってた。


俺は女の子の変化に結構敏感に気付く方なんじゃないかと、自分で思っている。


自分には小さな弟と妹がいるし、そういうのを汲み取る能力は長けていると思う。


「……知らないふり出来なくてごめん。」


正直に伝えると、「謝らなくていいよ。」そう言ってまた、無理して笑っている。


こんな時は、無理して笑わなくていいよって言うべき?


いくら気付けると言っても、最適な言葉をかける能力は持ち合わせていない。


「……あのさ」


しどろもどろな俺のことを、茜は不思議そうな顔で見てきた。


わかるんだよ。


なにか辛いことがあったんだろうという事は。


「……ここ、景色いいよな。」

「うん、そうだよね。」

「えっと…、だからさ…」


すると茜はニコッと笑って、「元気付けてくれてるの?ありがとう。」


ストレートに気持ちを伝えてきた。


「やっぱいいね、笑顔。」


褒め言葉のつもりだった。


そしたら茜は、


声を出してワアッと泣き出した。


……やっぱり俺、女の子の気持ちわかんないかも。





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