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恋花火***side story
第14章 彼女と雪と涙
"乱暴に持たないでね?"


"甘いの好きだよね"


昔からそうだったな


俺が辛いと思うとき


寂しいと思うとき


先回りしてくれてたな


運動会のお弁当


あの時どれだけ救われたかわからない


菜月が深く傷ついた時


絶対守ると決めたのに


…傷つけてしまう。


ガキで、バカで、全然余裕がなくて







「菜月!」


走って、先を歩いてる菜月に追いついた。


菜月は俺のことを無視して歩く。


「菜月!菜月ってば!」


それでも止まらない菜月に


ボロッボロ涙が出てきた。


「ちょっ…なんで泣くの!?」

「…やっとこっち向いた…」

「そんなに泣かれたらまるで私が悪いみたいでしょ。」

「うん…ごめん…」

「…私もごめん。なんて声かけたらいいかわかんなくて…」

「いんだよそんなの。…帰ったらダメ。」

「帰れって言ったの誰〜?」

「俺です。…でも、帰んないで。」


怒ったり、泣いたり。


まるで子ども。


母親のあんな場面ひとつでこんなにも揺さぶられるガキなんだよ。


涙をたくさん流したら急に寒くなってきた。


すると菜月が、首になんか巻いてきた。


「…なにこれ。」

「さっき買ったの。タケル寒がりなのに、いつも薄着なんだもん。たくさん種類があって、どれもこれも素敵で迷っちゃった。」


菜月はマフラーを買ってくれていた。


それはすげーあったかくて


また、涙が出た。


"おせーよ"


"菜月のせいじゃん"


…あれは、俺のために…


「行こ。」

「えっ、どこに?」

「…さっきの店。」


俺は菜月の手を引いて


さっきの女だらけの店に向かった。


しかも泣き顔で。


「いらっしゃいませ〜♪」


甘ったるい香水みたいな匂いの店内


案の定中には女しかいない。


「これ。」


田舎の親父みたいにぶっきらぼうにレジでお会計。


菜月が俺にくれたものと、同じマフラーを買った。



グルグル首に巻いたら、菜月は笑った。


あったかいね、ありがとう


菜月はそう言って


ニッコリ笑った。


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