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恋花火***side story
第17章 救いの手
茜先輩とはライバルだけど、色んな話をした。


過去の話とか。


「…あたし中学のときね、すごく嫌われてたんだ。」


それを聞いて驚いた。


高校での茜先輩は、どちらかというと人気者というイメージだったから。


部内でも好かれているし、それになんたって見た目も華やかだし。


「まーね。周りに嫌われないように、気付かれないように必死だったから。なのにどうしてタケル君にバレちゃったのかなー」


答えは簡単。


菜月のことに関するアンテナを張り巡らせているから。


とかってカッコつけたこと言ってみるけど、俺のアンテナなんか全然役立たず。


今までだって菜月は変な男、中学の時のバスケ男にも盗られたし…。


はぁ…。ため息が漏れる。


「…タケル君ってさ、菜月ちゃんのこと、すごく好きなんだね…」


茜先輩は感心したように言ってきた。


うん


そうなんだ


すごく、すごく


好きなんだ…。









「…ごめんね。」


それから茜先輩は、事あるごとに謝ってきた。


理由はわからないけど。


菜月のこと好きになってごめんってこと?


それなら謝らなくてもいい。


人を好きになる気持ちは、誰にも止める権利なんてないから。

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