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恋花火***side story
第23章 満員電車
一番近くにいて、仲の良い友人同士だと思っていた俺たちは
本当は違ったのかもしれない。
俺は茜が菜月ちゃんを好きだったなんて、ちっとも知らなかったし
もちろん、俺の気持ちも茜に言ったこともない。
「最低ー」
部内では、茜のことを悪く言う奴も出てきた。
「陸がかわいそう。」
ユリに言われた。
「菜月ちゃんだってあれからずっと元気ないんだよ?」
「…まぁ、そうだろうね。」
「陸も強がらなくてもいいよ。」
俺らは本当に付き合っていたわけじゃないから、ハッキリ言ってダメージはない。
だけど菜月ちゃんから笑顔が消えたというのは、すげえ嫌だ。
笑っていてほしい。
無理してる顔は見たくない。
あの笑顔には、悩みなんか吹っ飛んじゃうくらいのパワーがあるのに。
……大丈夫だよ、菜月ちゃん。
きっと何か事情があるだけだから
タケルが菜月ちゃん以外の女の子なんか好きになるわけないよ。
どんだけ惚れてるか知ってるでしょ?
だから大丈夫
笑ってよ。
「茜をサッカー部から追い出そうよ」
「…え?」
部活中、備品を取りに部室へ行くと、中からそんな声が聞こえてきた。
声の主はユリと、相手は菜月ちゃんだった。
「あたし、あんな女大っ嫌い。男たらし。本当最低な女。」
そこで浮かんだのは、マネージャーの中でいつも一人浮いていた茜の姿。
…ユリのせいだったのか。
ここでひとつ、線が繋がった。
ユリは茜を追い出そうと必死だ。
…女って姑息だ。
本当に醜い。
そう思った。
だけど違った。
「……私は、茜先輩が好きです。」
菜月ちゃんは、とても素敵な女の子だと思う。
子どものように純粋な心を持っていて
少しも擦れてない気さえする。
「タケル君盗られても茜のこと好きなんだ。」
「私、茜先輩にサッカー部辞めてほしくないです。辞めちゃったら、それこそ悲しいです。」
ユリに挑発されてもぶれない心の強さ。
そんな君はやっぱり、タケルとお似合いだと思う。
「タケルが幸せなら、それで……」
好きな人の幸せだけを願う
無垢な心の持ち主だと思った。
本当は違ったのかもしれない。
俺は茜が菜月ちゃんを好きだったなんて、ちっとも知らなかったし
もちろん、俺の気持ちも茜に言ったこともない。
「最低ー」
部内では、茜のことを悪く言う奴も出てきた。
「陸がかわいそう。」
ユリに言われた。
「菜月ちゃんだってあれからずっと元気ないんだよ?」
「…まぁ、そうだろうね。」
「陸も強がらなくてもいいよ。」
俺らは本当に付き合っていたわけじゃないから、ハッキリ言ってダメージはない。
だけど菜月ちゃんから笑顔が消えたというのは、すげえ嫌だ。
笑っていてほしい。
無理してる顔は見たくない。
あの笑顔には、悩みなんか吹っ飛んじゃうくらいのパワーがあるのに。
……大丈夫だよ、菜月ちゃん。
きっと何か事情があるだけだから
タケルが菜月ちゃん以外の女の子なんか好きになるわけないよ。
どんだけ惚れてるか知ってるでしょ?
だから大丈夫
笑ってよ。
「茜をサッカー部から追い出そうよ」
「…え?」
部活中、備品を取りに部室へ行くと、中からそんな声が聞こえてきた。
声の主はユリと、相手は菜月ちゃんだった。
「あたし、あんな女大っ嫌い。男たらし。本当最低な女。」
そこで浮かんだのは、マネージャーの中でいつも一人浮いていた茜の姿。
…ユリのせいだったのか。
ここでひとつ、線が繋がった。
ユリは茜を追い出そうと必死だ。
…女って姑息だ。
本当に醜い。
そう思った。
だけど違った。
「……私は、茜先輩が好きです。」
菜月ちゃんは、とても素敵な女の子だと思う。
子どものように純粋な心を持っていて
少しも擦れてない気さえする。
「タケル君盗られても茜のこと好きなんだ。」
「私、茜先輩にサッカー部辞めてほしくないです。辞めちゃったら、それこそ悲しいです。」
ユリに挑発されてもぶれない心の強さ。
そんな君はやっぱり、タケルとお似合いだと思う。
「タケルが幸せなら、それで……」
好きな人の幸せだけを願う
無垢な心の持ち主だと思った。