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恋花火***side story
第24章 DAYS
それからも時は流れ


菜月ちゃんを送ってった帰りに、駅で懐かしい奴に声をかけられた。


「メールはちょくちょくしてっけど、こうして会うの久しぶりだな。」


スイだった。


中学の頃、一番仲の良かったスイとは、卒業後お互い忙しく


会えたとしても半年に一度のペース。


まぁ、サッカーの大会ではたまに会うけど


こうしてここで会うなんて。


スイは少し前の試合で怪我をしてしまい、今は病院に通っていると聞いた。


その病院が、俺の通う高校の近くにあるらしい。


「…ちょっと見ちゃったんだけど、さっき。」

「え?」

「彼女出来たなんて聞いてねーぞ〜」


スイは笑いながら言ってきた。


おまえはいつも秘密主義だと、笑いながら。


「…いいじゃん。」

「なにが?」

「こんなに幸せそうな陸、今までで初めて見たかも。」

「…マジで?」

「今の彼女みたいな子が、陸には合ってると思う。」

「…そう?」

「うん。いい子っぽい。」


いい子っぽいっていうか、本当にいい子なんだよ。


そう言うとスイは、うぜーってまた笑った。


「…よかったよ、元気そうで。」

「その節はどうも。」


エリカと色々あった時は、スイにもたくさん迷惑をかけた。


こうして立ち直るまでには、スイと


あとは……


「そういや茜は元気?」

「うわっ」

「なに、うわって。」

「いやなんかビックリして。」

「意味わかんねー笑」


……やっぱ、気心の知れた奴といるとすげー楽だなって、スイと話して思った。


高校ではスイほど心を開ける友達はいないし


それに


仲良しだと思っていた茜だって、今は_____


「……あいつの事はよくわかんない。」

「そーなん?あんなに仲良かったのに。」

「そう思ってたのは俺だけだったらしい。」

「ふーん?」


しばらくスイと話して、病院の時間が来てそこで別れた。


"幸せそう"


…そうなんだ


俺今、すげー幸せなんだよ


たった一瞬なんだけど


終わりが来るのはわかってるんだけど


……幸せなんだ。
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