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恋花火***side story
第30章 RUN RUN RUN
試合の日が近づいてきて、ただでさえキツイ鬼練にもラストスパートがかかった。


それは俺にとって返って好都合。


サッカーしてる時だけは、何もかも忘れられた。


そんなこんなでむちゃくちゃに走り込んでたら、スタメンに選出された。


なんとレンも。


「タケルと自主練しててよかった〜」


そう言ってヘラヘラ笑うレンにもすげー救われた。


レンはなんも考えてないような風だけど、実は色々考えてる。


時にハッパかけてきたり、時に優しく聞いてくれたり。


「タケル、良かったな。」


一緒に頑張ろう、そう言って声をかけてきてくれたのは陸先輩。


涙が出そうだった。


中学の頃


どうかスタメンに選ばれません様にと願ったこともあった。


チームプレイ?そんなもんねーよ。


むしろ味方が敵だったのに。


陸先輩がキャプテンとして臨むこの大会


少しでも手助けになれるのなら


そう思って、死ぬ気でやろうって決めた。
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