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恋花火***side story
第32章 非日常パラレルワールド
退院した翌日からは、通院とリハビリが始まった。
正直、元に戻るわけでもないのにリハビリするのはなんだか馬鹿らしくやる気が出なかった。
だけど主治医が言うには、このリハビリを行わないと、日常生活に不便が生じるらしい。
…サッカーは俺にとっての日常だったんだけどね。
サッカー抜きの毎日は、俺にとっては非日常だ。
リハビリは、午前午後二回に分けて行われた。
軽くならウォーキングしてもいいと言われたので、朝早く家を出てジョギングもしてみた。
ウォーキングもジョギングも変わらないっしょ。
それに、家にいたくなかったし。
ジョギングやリハビリという名目で家にいない方が落ち着くしね。
「…タケル。」
退院してから一週間ほど過ぎた頃
リハビリを終え帰宅すると母親が話しかけてきた。
名前を呼ばれた事にすら腹が立ち、素通りした。
そして部屋に入り、目の前に広がっていた光景に
容易く沸点に達する。
俺の部屋には、誰かが浸入した形跡があった。
誰か、と言いつつ犯人はわかってる。
母親の恋人だ。
部活で着るサッカー部のジャージとか、スパイクが床に散らばり
高校の制服もぐしゃぐしゃに丸められ、放り投げられていた。
俺はその制服を手にして、奴がいるリビングへと向かった。
「タケル!待って!」
母親は俺を制止したが、俺だってもう16歳。
女の力で止められるはずがない。
「…そんなに俺が邪魔か。」
問いかけるも、そいつは何も答えない。
テレビをジッと見つめるだけで。
「…なぁ、どうなんだよ。」
まるで俺なんかここに存在していないみたいだ。
「タケル…、やめてよ…!」
そうだったな
おまえも俺のことが邪魔だったんだよな
存在を隠されるという
人間以下の扱いをされた奴の気持ちがわかる?
わかんねーだろ?
「…暴力だけはやめて…」
言われなくとも暴力なんかしない。
こんな奴
殴るに値しない。
正直、元に戻るわけでもないのにリハビリするのはなんだか馬鹿らしくやる気が出なかった。
だけど主治医が言うには、このリハビリを行わないと、日常生活に不便が生じるらしい。
…サッカーは俺にとっての日常だったんだけどね。
サッカー抜きの毎日は、俺にとっては非日常だ。
リハビリは、午前午後二回に分けて行われた。
軽くならウォーキングしてもいいと言われたので、朝早く家を出てジョギングもしてみた。
ウォーキングもジョギングも変わらないっしょ。
それに、家にいたくなかったし。
ジョギングやリハビリという名目で家にいない方が落ち着くしね。
「…タケル。」
退院してから一週間ほど過ぎた頃
リハビリを終え帰宅すると母親が話しかけてきた。
名前を呼ばれた事にすら腹が立ち、素通りした。
そして部屋に入り、目の前に広がっていた光景に
容易く沸点に達する。
俺の部屋には、誰かが浸入した形跡があった。
誰か、と言いつつ犯人はわかってる。
母親の恋人だ。
部活で着るサッカー部のジャージとか、スパイクが床に散らばり
高校の制服もぐしゃぐしゃに丸められ、放り投げられていた。
俺はその制服を手にして、奴がいるリビングへと向かった。
「タケル!待って!」
母親は俺を制止したが、俺だってもう16歳。
女の力で止められるはずがない。
「…そんなに俺が邪魔か。」
問いかけるも、そいつは何も答えない。
テレビをジッと見つめるだけで。
「…なぁ、どうなんだよ。」
まるで俺なんかここに存在していないみたいだ。
「タケル…、やめてよ…!」
そうだったな
おまえも俺のことが邪魔だったんだよな
存在を隠されるという
人間以下の扱いをされた奴の気持ちがわかる?
わかんねーだろ?
「…暴力だけはやめて…」
言われなくとも暴力なんかしない。
こんな奴
殴るに値しない。