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恋花火***side story
第38章 真実*Riku
その日は、よく晴れた日だった。


だけど北風が強くて、すごい寒い日でもあった。








「松下さんならまだ来てないですよ」


昨日郁に色々言われたせいもあるのか、菜月ちゃんの顔が見たくなって、菜月ちゃんの教室を訪れた。だけどまだ登校してないらしい。


遅刻なんて珍しいなと思いながら、一年の廊下を歩いていると、レンの声が聞こえた。


「タケルおせ〜な。なにしてんだ?」


気になって、レンに話しかけた。すると、やはりタケルも来ていないと言う。


…嫌な予感がした。


当たって欲しくない予感。


その日は一日中何も手につかなかった。


















「……陸先輩、話があります。」


部活前に菜月ちゃんに言われた言葉に、遂にこの時が来たんだと思った。


"そろそろやめとけば?"


…郁。やめられるもんならとっくにやめてるよ。


"今のうちに"


もう、手遅れだよ……


わかっていたじゃないか


この日が来るってこと


なのにどうして俺は……






「なんでだよ!」


菜月ちゃんの言葉を聞いて、真っ先に出てきた言葉は、ひどく自分勝手なものだった。


けれど菜月ちゃんの瞳は、そんな俺を見つめていた。


強くて、真っ直ぐで………


その目は


タケルとよく似てる……。


その瞳から、逃げてはいけないと思った。
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