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恋花火***side story
第7章 僕らはみんな太陽の下で
一度も朝練しないまま本番の日を迎えた。


今日で俺たち三年は引退する。


昨夜はなかなか寝付けなかったけれど、朝早くに目が覚めた。


今日が最後だと思うと、なんだか寂しいような気持ちになる。


俺の中学のサッカー部は、一年から三年までみんな仲が良く、チームワークの良さはどこにも負けないと思う。


グラウンドでウォーミングアップをしていると、東三中の奴らがやって来た。


DVDじゃわからなかったけど、こうして見るとどことなくみんな柄が悪い。


失礼だけど、決して強そうには見えなかった。


そして試合開始。


俺は指示通り、SBの大石タケルをマークする。


話には聞いていたが、桁外れに足が速い。


そして、予想とは大幅に外れた方向へ飛び出す瞬発力には脱帽した。


敵ながら感心する。


だけど前半の終了時点ではドロー。


俺たちの攻撃の方が上回っている印象を受けた。


それもそのはず、東三中のチームワークはボロボロ。


大石タケルは隙をついてゴール前に駆け上がり、ヤバイと思ったが、誰もパスをせずシュートにはつながらないというシーンが何度もあった。


「東三中てあんなんなの?」

「余裕じゃね?」


ハーフタイムにはそんな会話が繰り広げられていた。



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