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恋花火***side story
第8章 プレゼント
サッカー部を引退してからは、受験一色になった。


息抜きだと言って、元サッカー部の奴らは以前話していた通り時々フットサルをしていた。


……だけど俺は、一度もそれに参加できない。


なぜなら、空いた時間はほぼエリカのマンションにいたから。


エリカと長く時間を過ごすようになって気付いたことがある。


機嫌がいいときエリカは俺のことを"相原くん"と苗字で呼ぶこと。


良くも悪くも興奮状態でいるときは、"陸"名前で呼ばれた。


仲間と共に遊びたいと何度も思った。


家族と過ごす時間もほとんどない。


けれど、それで不機嫌になりキレるエリカをなだめる苦労を思えば、一緒にいて勉強したり、SEXしたりしている方が楽だと思った。


エリカは、二人きりでいるとすごく優しい。


料理は下手だけど。笑


「どこわかんない?」

「なんか全部。」

「教えがいあるわー♪」


塾でも勉強をして、エリカにも個人レッスンしてもらうから、成績は安定してきた。


冬休みが始まる頃には、志望校の合格判定はBからAに上がってた。


「このままで行けば、余裕で合格すると思うよ。」

「マジ?だったら嬉しいな。」

「でも相原くんの志望校は授業についてくの大変だからね。部活なんかやったら、勉強する暇ないよ。」


エリカは時に、俺からサッカーを遠ざけようとした。


理由はわからなくもないけど


俺はサッカーを辞めたくはない。


むしろ、勉学じゃなくて、サッカーのためにその高校に決めたのだから。

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