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恋花火***side story
第8章 プレゼント
学校にいるときは、唯一友達といられる時間。


その時だけは、中学生の自分に戻れた気がした。


あの日駅でエリカのことを見られてからは、付き合っている歳上の彼女がいるってみんなにバレた。


そもそも隠す必要はなかったのかもしれない。


勉強もちゃんとしてるし、成績さえキープしていれば、どんな付き合い方をしていても誰にも文句は言われないと思う。


…いや、文句を言う奴がいた。


小1の弟の、海だ。


「りくのアホ」


たまに顔を合わせると、必ずそんな事を言われる。


エリカのマンションに泊まることも多かったので、家にいる時間はほとんどない。






迎えたクリスマス。


聖なる夜にSEXしまくって疲れ果て、学校には行かず家に帰ると


普段日中は家にいない父さんが俺の部屋にいた。


「なっ…なにしてんの?」


学校をサボっているため、ちょっと都合が悪い。


すると父さんが振り向いて俺の方を見た。


「…は?」


振り返ったのは父さんじゃなかった。


だけど、聞かなくてもわかった。


そこにいたのは父さんの言う、もう一人の家族なんだ、ということに。


俺は失礼ながらも、上から下までジロジロ見てしまった。


だって、その人は表情から何から何まで


まるで父さんのコピーだったから…


ビックリして。


彼は歳を19だと言った。


…エリカと同じか。


だけどやたらと大人に見えて、エリカと同じ歳だということにピンと来なかった。


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