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恋花火***side story
第9章 SAYONALOVE
エリカがいなくなり、もう二週間は過ぎた。


まだ夜眠る時胸は苦しかったけど


もう涙は出なかった。


高校の入学式直前


いつもフットサルをやっているメンバーで焼肉をやった。


その中には東三中の奴らもいたが、やはり大石タケルの姿はなかった。


「…停学明けた?」


そう問いかけると、奴らは笑った。


「面白い話があるんだよ。」


絶対面白くなさそうだと思ったが、とりあえず聞いとこう。


「大石に仕返ししようと思ってずっと考えててさ、やっと実行出来たんだ。」

「…仕返し?」

「そ。前も話しただろ?俺らの仲間があいつにやられたんだよ。」


以前聞いた話。


大石タケルがサッカー部の三年をシメたってやつ。


「あいつにいつもくっついてる女がいるんだけど。そいつを寝取ってもらったんだよね。」


…それってもしかして


「…その女の子って…、えくぼがある子?」


まさか


まさかだよね


すると東三中の奴らは笑いながら「その子だよ」そう言った。


「寝取ったって…」

「バスケ部のリョウって奴がいるんだけどさ。その子に告白したわけ。もちろん演技でね。そしたら即オッケー、簡単に股開いたさ。」

「…その子に罪はないのに?」

「まぁ、そうだね。その後リョウまで大石にボコられたけどな。でも女の子とナマでSEX出来てラッキーって言ってたからプラマイゼロってことで。」

「…ナマ?」

「そう。もしデキても俺らには関係ねーし。」


……気付いたら身体が動いてた。


人を殴ったことなんか今までにない。


争い事なんか嫌いだし


みんな仲良く、楽しくやってきた


なのに



「いってぇ…何すんだよ!」


俺はそいつのことを殴ってしまった。


「てめぇふざけんなよ」


胸ぐらを掴まれ、床に押し倒された。


お返しだと一発顔を殴られたけど


そんなん全然痛くない


…エリカの男に殴られたときの半分も痛くない


「…それで、終わり?」

「はぁ?」

「バカじゃねーの。SEXSEXって…頭おかしいんじゃねーの」

「てめーこそどうなんだよ!」


俺は


…そうだな


人のこと言えないくらい最悪だよ


頭おかしいよ


本当に


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