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恋花火***side story
第11章 Takeru*海の声
気付いたら側にいて、いつから仲良くなったかなんてわからない。


別に特別なわけでもなんでもなかった。


ただ家が近所なだけで。


「タケル〜、起きて。」


12歳


今年で小学校は卒業。


学校までは歩いて10分。


ほぼ毎朝起こしてくれるのは、近所に住んでる同じ歳の松下菜月。


「国語の教科書持った?リコーダーは!?あっ、スパイクも!!」


菜月は俺の保護者かってくらい、持ち物チェックに厳しい。


本当は一人で起きれるけど、寝たふりしとけば菜月がずっと構ってくれるから


毎朝寝起きが悪いふりしてた。


________俺は、菜月が好きだ。



物心ついた時から一番近くにいる女の子。


割と優しくて、いつもニコニコしてる菜月の事をきっとずっと好きだったけど。


その気持ちが恋だと気付いたのは


ほんの一年前のこと。


…いや、恋って表現するのもなんか恥ずかしいしアホみたいだけど。


とりあえず少女漫画的に言えば、恋ってやつね。



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