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恋花火***side story
第11章 Takeru*海の声
担任の説教を聞いてから


帰りのホームルームを終えて速攻で菜月を連れて海へ。


菜月が元気になるように、綺麗な海を見せたかったのに…


「さむっ!なんだこれ!?」


海は大荒れ。高波。


それもそのはず、今は真冬。


風も強く、雪が横に降ってる…


「菜月っ!」


菜月が風邪ひくとダメだから、腕の中におさめる。


いやそんな事してないで早く帰れっちゅー話だけど。


まだ菜月の笑顔見れてないし、帰るわけにいかない。


菜月は腕の中で大人しかった。


この時はまだ、俺らの身長同じくらい。


だけど、俺より骨が細いっていうか


全体的にちょっと小さいなって思った。


「菜月ちっちぇ〜な。かわいい〜」


ほぼ無意識にかわいいとか言っちゃってた。


このときのことを思い返すと、今でもウワーってなる。


やたら大人しい菜月


あんまり寒くて怒ってんのかな


心配になって顔を覗き込む。


すると菜月は、鼻を真っ赤にして泣いていた。


「菜月!大丈夫!」

「…なにが」

「俺が教えてやる!オムライスとか!」

「…あとなんだっけ、ナポレオン…?」

「ナポリタンね!だからなんも心配すんな!!それにふきの炒めものは俺も好き!」


菜月と食ったもの


見たもの


全部好きになるんだよ。


この頃はなんの迷いもなく、真っ直ぐに菜月を想えた。


その気持ちを伝える気もなかったし


隣にいるだけで、ただ満足だった。


大人になるにつれて


嫉妬や羨望


ドロドロした感情も知ることになるけれど


この頃はまだ、なにも知らない幸せな時期。


「菜月の作ったオムライス食べたい。」

「作り方教えて。」


二人でレシピ調べて作ったオムライス。


はじめはグチャッとなったけど


菜月は二度目に作ったとき、見事に綺麗なオムライスを作ってくれた。


菜月ってやっぱすげぇ。


12歳の俺もベタ惚れだった。


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