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恋花火***side story
第12章 真っ赤な太陽に…叫ぶ?
中学校にあがると、俺らを取り巻く環境はちょっと変わった。


他の小学校の学区からも大勢集まり、生徒数も倍になった。


なんといっても変わったのは……


「菜月ちゃんかわいい。」


なにぃ!?


菜月が男子会議で度々取り上げられる。


「どこが!?ブスじゃん!!」


俺は会議のたびにブスを連発。


なんとかして菜月の評価を下げなければ、誰かに盗られる…


焦りが生まれた。


他の奴らが言うには、菜月はいつも笑ってて、周りにも優しくて、ちょっとバカっぽいけど本物のバカではない所がいいとかって。


それ全部俺が先に見つけたとこだから!!





努力むなしく


菜月はちょいちょい告白されていた。


「告白されちった。」

「誰に!?」

「野球部の村上くん。」

「ダメだあいつは。」

「なんで?なんでダメなの?」

「……彼は虫が苦手らしい。菜月も虫ダメでしょ。」

「じゃあ二人でいても虫が出たらパニックになるね…」

「その通り。」


菜月はバカがつくくらい素直だった。


男に告白されたとなれば、必ず相談してきて


俺がダメって言えば付き合わない。


そう、絶対にだ。


俺は菜月のそんな素直なところを利用して、徹底的に男女交際を阻止。


…してたんだけど


中二になって、同じクラスの亜美って奴に言われたんだ。


本当は菜月は


俺のことをうざがってるって…。


「うるさいクソ親父みたいって言ってたよ。」


どうして俺はこのとき、亜美の言うことを信じてしまったんだろう。


菜月がそんな事言うわけないって


一番わかっているはずなのに。


ガキだったんだ。


だったら俺から離れてやろうじゃんって


思っちゃったのが全ての間違いの始まりだった。


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