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恋花火***side story
第13章 paradise
菜月と寝なくなってから、不眠の日々が続いた。


夜だけならまだしも、朝まで起こしてくれなくなった……


それどころか、通学路で会っても知らないフリされるし


学校でばったり出くわしても、プイってされる……


「おい」


やめときゃいいのに俺は菜月に体当たりで挑む。


「無視って最低だと思わねぇ?」


菜月は俺と目を合わさずに俯いた。


あ……も、もしかして泣いてる?


ちょっとドキドキした。


そんな俺をよそに菜月は、「別に。」と、一言だけ吐き捨てていなくなった。


菜月が…


俺の菜月が変わってしまった…


いや別に俺のじゃないんだけどね…


いつも当たり前のように一緒にいた子が、隣からいなくなった。


それはとても寂しくて、悲しくて


何も手につかなくなった。


最悪な事態は重なるもので、その頃から、サッカー部の三年からの嫌がらせが始まった。


理由は知ってる。


俺が今度の試合のレギュラーに選ばれたからだ。


レギュラーに選ばれてから、部活での練習メニューも変わってくる。


レギュラー陣はゼッケンを身につける決まりになってて、基礎練よりもシュートや紅白戦など、試合に向けての練習が主。


練習のときに俺のゼッケンがぐしゃぐしゃにされたり、あとは部室に置いておいた制服もやられた。


スパイクだって壊された。


くだらねー


嫌がらせする暇あんなら練習しろ


だからレギュラーとれねんだよ


そう思うも、毎日の様に続く嫌がらせに、心が折れそうだった。


……こんな時


菜月が側にいてくれたら


ギュッて抱きしめれば


なにもかも大丈夫って思えるのに。


「そんなんエッチすればすーぐ元気になるからだいじょーぶ!」


毎日どよーんとしてる俺に亜美が喝を入れてくる。


エッチて。やだよ。笑


「まさか初めて?」

「え、当たり前じゃん!!」


一人ではいくらでもしてるけど。


しかもオカズは彼女である亜美ではなく、菜月ちゃん。


「ねぇ試しにしようよ!」

「試しでするもんじゃなくない!?」

「いいから!」


積極的な亜美のペースに巻き込まれて


あれよあれよと言う間にベッドイン。


しかも俺んち。


菜月と何度も寝た(睡眠ね笑)


そのベッドで。
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