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文句言いっこなしの三重奏
第6章 カノン
まあ、ほのりは優しい性格だからな…
僕らのやり方に、身を委ねてるだけなんだろう。本当に嫌なら、ちゃんと主張もできる子だし…僕らにだって分かる。
『…おい、母さん。』
『なに、出来た?』
今に始まったことじゃない。
ほのりの真意が謎なのは。ずっとそれを崇臣と追ってきたんだ。
『もっと高い台、ないのかよ。』
…でも、いつまで続くかな。
こんな曖昧な関係。壊したくないのに、現状では満足しきれないって…
どうすればいい?
何をすれば、僕らは満足するんだろう。
三人共が幸せになる構図は…いくら頭を捻っても、思い描けない。
『…仕方ないわね。電球はお父さんが帰ってからにしましょ。いいわよ、あんたはお風呂行っちゃって。』
『…コノヤロー。』
いつもこう。
堂々巡りの思考から、
僕は抜け出せないままでいる。
(第6章 カノン)