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文句言いっこなしの三重奏
第7章 和音
貴重な二十分休みが潰れ、寝たふりでもして過ごしてやろうかと思った、数学の時間。やる気なく、机に突っ伏した所で…中に入れっぱなしにしてたケータイの存在に気がついた。チラッと覗くと、新着のLiNE通知がある。
(なんだ、画像付き…?)
送信者は、ほのり。
〉〉ジュースを買いに行った時に見つけたよ。勇くんも崇くんも、今日はいいことありますように!
一緒に送られていたのは、
四つ葉のクローバーの写真だった。
『うわ、ヤッバ…////』
なんなのこの可愛さ…?!
暑い陽射しの降り注ぐ、この時期、一番最悪な窓側席にいようとも。ほのりのLiNEで、まるで心の中はポカポカ春模様だ。このまま眠れば、蝶々の飛ぶ風景さえ夢に見れそう…
『じゃあ──そこのヤバイ英くん。
寝落ちする前に、前出て問題解きなさい。』
まあ欲を言えば、三人のグループLiNEじゃなく、個人宛で送ってくれてたらもっと良かったんだけど。でも嬉しい…崇臣だって、どうせ今ごろ癒されてるに違いない。
『聞いてるの、英くん。机の下でゴソゴソと…そこには一体、何があるのかしら?』
『はい、とても趣があります…!』
僕はやっぱり、ほのりが好きだな。
(第7章 和音)