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文句言いっこなしの三重奏
第10章 クレッシェンド
『女の子はさ、ちょっと嫉妬するくらいが可愛いと思うよ。今のだって、本当は本気じゃないよね?おれとデートしてみたいって…そう思ってくれたからでしょ?そういうの、いじらしくて可愛いよ。』
さらりと言ってのける崇臣は、甘く微笑んだ。対する森脇の表情はイマイチ固いが…それでも、可愛いというのは少なからず効いたようで
『あ、あの…あたし…さっきはごめんなさい…』
『もう気にしないで。ほんとにほのりを傷つけたわけじゃないんだし。』
一応の謝罪を口にした。
すっかりペースを掴んだらしい崇臣は、
『素直で可愛い女の子は好きだよ。でももっと言えば、優しい女の子なら尚のこと好きになっちゃうけどね。』
また、訳の分からないことを言ってるが…
森脇と目が合うと、艶やかに微笑み返していた。そしてそのまま畳み掛けるように、あくまで温和な調子は崩さずに…
『おれが大事に思うものを、同じように大事に思ってくれる子。そういう優しい子がおれは好きだな…。だからさ、これはお願いなんだけど。おれらの大事な幼馴染のことは…これからも虐めず、温かく見守ってやってくれないかな?』
森脇と、その仲間の女子の視線を一挙に引き受け。
こいつはニーッコリ、必殺技を決めていた。