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文句言いっこなしの三重奏
第10章 クレッシェンド


『ね、どうかな?ああ、もちろんお礼はするよ。おれのお願いきいてくれれば全力で…。てか、ミキちゃんもともと可愛いしね…おれとしては、ぜひお礼をしたいんだけど?』

『あの…?その、お礼ってどういう…?』

『何でもいいよ、君のして欲しいことでおれが出来ることなら何でもする。さっき言ってたデートでも、それ以外でも…』

『そ、それ以外…?』

『フフ…例えばそう…幼稚なうちの幼馴染じゃ出来ないような、大人っぽいこととか…かな?』


ふんだんに色気をまき散らした崇臣は、キザったらしく片手で森脇の顎を持ち上げ。近すぎる距離で囁いた。


っていうか、何急に口説いてんの。
お前、不審すぎるだろ…


『ほ…ほんとにデートしてくれるのぉ?』

『もちろん、それが望みならね。』

『…一回、だけ?』

『…おれの願いを叶えてくれるなら、何度でも。』


呆れる僕とは対照的に。森脇はメロメロだし、周りの女子達も顔を真っ赤にして一部始終を見つめていた。いや…てか何でアレに騙されるんだろう。ますます女って分かんないな。


…でもこれ。
何だかんだ、うまく話をはぐらかせたってことか…。




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