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文句言いっこなしの三重奏
第11章 対旋律
『おい勇祐、ちょっと見てみろよ!』
『はぁ…今度は何だよ。』
『いいからあそこ、ホラ!これってアレじゃね?多分さっきの…てか、ぜってーそう!な、な、お前もそう思うだろ?!』
『…落ち着けって。何言ってるか分かんねーよ。』
興奮する崇臣の指差す先は、自販機の足下。どう考えても、敷石と敷石の合間に群生する雑草を示しているようにしか見えない。
『よ〜く見ろよ?』
ぱっと見は何でもないが。言われてよくよく目を凝らせば、ふと、ある形が浮かび上がってきた。