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文句言いっこなしの三重奏
第11章 対旋律
『…ほんと
愛されてるよなぁ、勇祐は…』
崇臣はきっと、僕よりも
ほのりに近い場所にいる。
『お前今、何か言ったか?』
『別に。だけど昔から好きだよな〜勇祐は、四つ葉のクローバー。』
『は?そうか?』
『あ、違うか。四つ葉が好きなのは、ほのりだったな。ほらいつだっけ?小学校の頃さ、いっ時すごいハマってた時期があっただろ。』
『あ、ああ…』
それは忘れもしない、小5の春。
『あの頃からほのり、願かけには必ずソレ探すよーになってたよなぁ。何でそんなにハマってたんだろー?』
崇臣は知らない…
僕とほのりの間だけにある、あの小さな思い出のことを。大切な約束をした、あの小5の春のことを。