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文句言いっこなしの三重奏
第12章 ソナチネ


それから、数日後のことだった。


『ほの!どうしたんだよ?!』


ある朝、ほのりは片目に眼帯をして現れた。


『えへへ、昨日ちょっと転んじゃったの。』


明るく笑ったほのりの笑顔は、痛々しかった。目の上にできた青アザが、ガーゼから少しはみ出ていた。


『なぁ…本当のこと話せよ。それ、一人で転んでできた傷じゃないだろ?』

『誰にやられたんだ?同じクラスのやつか?』


登校中、
僕らがいくら聞いても、ほのりの答えは


『やだなぁ二人とも、心配しすぎだよ。あたしがドジなの知ってるでしょ?階段でね、前のめりにこけちゃったの。傷は深くないし、ちゃんと治るってお医者さんも言ってたから!』


大丈夫の一点張り。
それでも僕らには信じられなかった。むしろ、痛みに弱いほのりが平然を装うこと自体、明らかにおかしかった。



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