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文句言いっこなしの三重奏
第12章 ソナチネ


犯人は、元木ユミコ。


ひとまず理由を聞くより何よりも、ほのりが泣き止むのを待つことにした。すぐ家に着いてしまわないよう遠回りをして、普段は通らない細道なんかをわざと抜けたりして時間を稼いだ。そうしてゆっくりゆっくり、ほのりの手を引いて歩いた。


『ほの、ごめん…』

『…うっく。どうして勇くんが謝るの?』

『………っ!』


ほのりの涙が治まるまでの間。無言だった僕の頭には、絶えず後悔がひしめいていた。
もしも崇臣がここにいたら…僕は殴られるどころじゃ済まなかっただろう。


『ごめん!!…ごめん!!本当にごめん…!!』


日の暮れた、薄暗い細道。
急に立ち止まった僕はほのりの前に土下座して、何度も何度も謝った。



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