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文句言いっこなしの三重奏
第3章 前奏曲


『では、男子団体戦メンバーは、的前(まとまえ)へ立って下さい。』


放課後、弓道場にて。
僕の所属する弓道部では、週末に都総体を控えている。これはインターハイの予選にあたる大会で、専ら練習にも熱が入っているところだ。
3年生の原先輩の指揮のもと、メンバーである僕達5人は的前へと立った。


『始め!』


合図と共に、試合形式の練習が始まる。


弓道は基本、的中制の競技だ。
的のど真ん中が最高得点で、外側へ離れる度に点数が低くなる…と一般的には思われがちだが、そうではなくて。矢が的に中(あた)るか、中らないか。シンプルにそれを競う。故に、中った矢数が多いほど、良い成績とみなされる。


団体戦の場合、1チーム全員(5人なら5人)がそれぞれ的に向かい、一列に並ぶ。そして、前者から順を追って弓を引いていく、というのが決まりだ。





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