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思い出のアルバム
第11章 俺はそんな男じゃない
「ーーーーッッ!!!!」
腕を掴まれたまま強引に連れ出される。
「痛いから離して!!!!」
どんなに叫ぼうが、足掻こうが、修ちゃんは離さない。
少し歩くとすぐアパート。
勢い良く走り出したけど、たいして離れていなかった事、
修ちゃんが…それだけ早く追いかけて来てくれたことが
よくわかった。
部屋の前にはまだあの女が居座っていた。
修ちゃんは気にせず目もくれず、私を部屋へ導く。
「修司ー!!ねぇ……」
「うるせぇよ!!!!いい加減帰れ!!ストーカーで警察突き出すぞ」
修ちゃんの怒りは頂点を超えてる。
あの女は、その変わりように声も出ないようだ。
バタン!!!!!!と勢い良くドアを閉めると、
ドタドタ……と中へ連れ込み、ゴミ箱の中を覗かせた。
「……ヤってたらゴミ箱の中、何でいっぱいになる?」
中は、今日の工程表みたいな紙くずとか捨てられているだけで、
ティッシュは捨てられてても、ヤった後の量ほどはない。
そもそも……修ちゃんの…欲望の臭いが全くしない。
「俺は、お前が思ってるような男じゃない。どんなにスタイルの良い女に…どんなに美人に裸で迫られたって……沙織が傷つくような事はしない」
わかってる……わかってるよ……。
「それに沙織が何を見たかわかんないけど…」
「キスしてた!!」
わかんないけど…じゃない。この目で見た。
あれは、避ける気になれば避けられた。
「………あれだけ首絞められたら避けられないよ」
・・・・・は?!
首…絞められた?
「まず、アイツが来たのに驚いたのは俺。
宅配便かと思ってドア開けたらいてさ。何で知ってるのか聞いたら、今日後をつけてきたって言われた」
あぁ…だからストーカー。
「上手く玄関入られちゃって、いい加減にしてくれって話してたら……アイツまともじゃないよ…」
その表情は言い訳している顔じゃなくて、本当に参ってる顔。
やっぱり……この人は、夏奈が言うような人じゃないよ…
「つーか話聞いて、見てたんだろ?だったら、わかるじゃんか!!」
「何で私が攻められなきゃいけないの!!!!」
私が被害者だ!!!!