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思い出のアルバム
第11章 俺はそんな男じゃない

冷静に考えればたいした事ではないのだろう。

でも、どこかに不安を抱えていた沙織には、そんな余裕などない。



アパートから出ると、とぼとぼ駅に向かって歩く。


よくわからない東京の街……

私は何をしているのだろう……

今日…私は…何しに来たんだっけ?




都内だと駅から少し離れてても、たくさん人いるなー。

うん。帰ろう……。

帰って夏奈や由美にまた話聞いてもらって……




「沙織ーー!!!!」

名前を呼ばれたと共に、腕を掴まれる。

振り返ると……


「何で……帰る……」


はぁ…はぁ…と息を整えてる…修ちゃん。

私に気づいて…走って来て…くれたの?


何で?

あの女は?



「帰ろう……」

言われて手を繋がれる。

が、それを


「嫌……!!」

振り払った……


そして……修ちゃんを睨み付ける……


あなたの口から出る言葉は…

私をあれだけキュンキュンさせて、喜ばせた言葉は

全部……全部………


「嘘つき・・・」



そう…全部嘘だったんだ…。

夏奈の言うとおり、男なんて女に言い寄られれば…

何であんなに信じていられたんだろう。

何を根拠に……信じていたんだろう。



修ちゃんは、私の手を取り、その手を自分の股間へと導く。


「何すんの!!!!」

「いいから触って確かめろ!!!!」


スウェットの修ちゃんのモノは、そこにいると存在をわからせたが

あのいつもの感覚はない。


「俺が、あれで反応してたら……すぐにこの状態にはならない」


「・・・・・」


「でも……お前の声や、匂いや、姿を見たら……」


そして私の手を掴んだまま、ゆっくり上下させる…


「触られたら……すぐ…反応する……」


「だから何?」


「俺は沙織以外の女には勃たない。お前が思ってるような事は何もない!!」


「そんなのわかんないよ!!今の行動でそれが証明されてると思ってるの?もうとっくに事を済ませてたらそもそも勃たないじゃん!!
ってか、そんなより……私が見た事は?そんな事より、私が見た出来事の方が嫌だったよ!!!!」


せっかく泣くの我慢してたのに…

言わせないでよ。バカヤロウ!!!!

もう……こんな男なんて……

こんな男なんて………

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