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思い出のアルバム
第13章 冬は終わる
そして数日後、
『そんなに礼子の事で不安になってるとは思わなかったよ……』
修ちゃんから電話。
どうやらママが、私が気にしていた事を修ちゃんに話してしまったらしい。
「だって……修ちゃん…いつもと様子が違ったんだもん。それに……ずっと好きだったんでしょ?」
『まぁ……そうだね。随分長い間、片想いしてたから……。急にアメリカ行かれて、そんな相手に思いもよらずな所で会えば……動揺しちゃうよ。
でもね、今は沙織が俺にとってそんな相手だから。心配すんなよ』
「うん……」
修ちゃんが話してくれた事は、本心なんだと思った。
ちゃんと正直に、私と向き合うために、話してくれたんだろう。
でもね、
何でこんなに欲が出ちゃうんだろう。
ずっと……長い間ずっと修ちゃんに想われていたあの人を
恨めしいと思ってしまった。
羨ましいとも思ってしまった。
修ちゃんは……
私も同じように、ずーっと想ってくれるのだろうか。
「早く会いたいな……」
『おッッ…珍しい言葉が聞けた。いつも…我慢してるだろ?言わないように……』
そう…
会いたいと言葉にすると、今すぐにでも電車に飛び乗りたくなる。
会えない現実に……悲しくなってしまうから…
だから、どんなに言いたくても言わなかった。
だけど、今は……
心の叫びが……つい出てしまったんだ。
『すぐ会える……もう少し……だから悲しむなよ』
「うん……修ちゃんも……」
『俺には、ムービーっていう強い味方がいるからな』
「じゃぁ私も……撮る!!」
とりあえず……一件落着……かな。
まだまだ不安は尽きないけれど、
幸せを夢見ていこうと思った……。