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思い出のアルバム
第14章 悩みの末に

部屋に入って、いつもの所に座る。
思わず、ゴミ箱をチェックした。
前に、変な女に付きまとわれた時、疑うなら確認しろと覗かせられた事があったから。
中は普通にゴミだけ。
事の形跡は……全く無かった。
「いきなり来るからビックリしたよ……」
お茶を入れて持ってきて、私の相向かいに座る。
「・・・・・来なきゃ良かった……」
疑っているわけじゃない。
きっと何か理由があるってわかってる。
でも…。
もう修ちゃんの顔なんて見れなくて、ずっと俯いていた。
「ごめん……」
は?!と思って顔を上げる。
「ごめんって何?………何か理由あるんでしょ?」
「・・・・・・」
修ちゃんは、黙ったままだった。
本気……なのかな?
「ねぇ……黙ってちゃわかんない。礼子さん居たの……理由あるんでしょ?昨日…泊まったの?」
「あぁ…。昨日は、家泊まったよ。アメリカから帰って来て、泊めてくれる予定だった友達が連絡つかないらしくてさ…」
「そっか……。それなら礼子さんも、あんなにそそくさと帰らなくてもいいのにね…」
「どっちにしろ、帰る支度してたから。帰るつもりだったんじゃない?!」
「ふーん…そっか……」
重い沈黙の時間が流れる……。
何で私は聞けないんだろう。
現実を受け止めるのが……怖いのかな?
「今俺が話すこと全部…疑われるかもしれない、信じてもらえないかもしれないけど……
礼子は、昨日泊まったけど…何もないから……」
「うん……」
「それと、俺にも予定あるからさ、来る時はちゃんと言って…。これから勉強するのに色々出掛けたりもするから…」
「……ごめんなさい…」
「俺からはそれだけ。今日、部活は?休み?」
「うん……朝、雨降ってたから……」
「そっか……」
修ちゃんの言ってる事もわかる。
いきなり来て、今日だってもしかしたら予定を狂わせてるかもしれない。
だけど……
勉強の邪魔なんかしないから…
そんな言い方してほしくなかった。
ただ、会いたくて…顔見たくて来たのに……
もう歓迎も……してくれないの?

