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思い出のアルバム
第14章 悩みの末に
気付けば朝になっていた。
目を覚ますと、先に起きていた修ちゃんと視線が絡む……
「おはよ…沙織…」
「おはよう…修ちゃん……」
そして愛しの人は軽くキスをしてくれた。
幸せな朝の一時。
だから……
聞いてもいいかな?
「ねぇ修ちゃん……やっぱり気になるから聞いてもいい?」
そう口に出来たのは、朝ご飯を食べ終え、帰ろうと準備している時。
「何?礼子の事……やっぱり気にしてんの?」
いやいや……
でもそうゆう風に、修ちゃんから口にされると気になるけど…
「気にならないって言ったらウソになるけど……」
「だから何もないから……」
「じゃぁ、礼子さんが帰るときに言ってた“考えといて”って……何の事なの?」
「それは・・・」
一瞬、修ちゃんが動揺したように思えた…
私がそうに感じただけかもしれないけど。
「昨日、泊まった時に……この先どうするのか聞かれてさ。司法試験もいいけど、アメリカに来て1年学ばないかって言われたんだ」
修ちゃんの将来……
1度も聞いたことのない話……
「語学留学だけでも為になるって…。色々学びながら現役じゃなくて1年勉強して受けてもいいんじゃないんか…ってさ。多分、自分が行って色々刺激受けたんだろうな…」
「修ちゃんは……行きたいの?アメリカ…」
「いや、アメリカに限らず、留学はしたいと思ってたよ。けど、ちゃんと目的がなきゃ行く意味ないからな。無駄に金かかるだけだし…」
「そっか……」
それしか言えなかった。
なんか次元の違う世界……。
私には、何も言わないはずだよね…
たいした応えは出来ないもん。
なんか自分の存在が……
あの女に劣ってると言われたみたいに
感じてしまった……。
「まっ、沙織は何も気にしなくていいから…」
その言葉にもショックを受ける。
私は……関わらなくていいって事?
そういう将来の話は、あの女とするからって事?
私は……
修ちゃんの将来には……必要ないって事?
「・・・わかった」
それしか言えなかったよ……