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思い出のアルバム
第21章 赤い糸は…

「沙織と会わないくせに……何度か礼子とは会ってたんだ。留学の話には興味あったし、何よりやっぱり存在が気になってたから……。ごめん…」


また首を左右に振る……


「ある時、礼子に“やっぱり忘れられない……”って言われた。“彼女と会ってないのに、私と会うなら……修司もそうなんでしょ?”って。
そうなのか…って妙に納得して……俺、礼子と……」


修ちゃん……も

浮気したんだ…………


「でもね、キスだけで……それ以上は出来なかったんだ…」


え……?

と思って、思わず目を見開いて、修ちゃんを見てしまった。


「ウソじゃないよ……その気があったのも……事実だし。ただ……全然勃たなかったんだ……」


苦笑いしながら修ちゃんが話す。


「その時、俺は沙織じゃないとダメなんだ…って思ったんだ。他の女を抱こうとして、抱けなくて気付くなんて……都合良いけどさ……」


そんな事って……あるの?

だって…男なんて……誰とでも出来るんでしょ?



「それから、はっきり礼子に思いを告げてケリつけた。でも、やっぱり後ろめたくて……沙織に連絡出来なかったんだ。
その時、成人式の……あのちらし寿司は沙織だろ?」


…やっぱり気付いてくれてたんだ………

コクりと頷く。


「すげぇ嬉しくてさ……。それと同時にやっぱり申し訳なくて……。こんなに想ってくれてるのに俺はって……。でも、沙織を誰かに奪われたくもないし、俺には沙織しかいないって…わかったし、ちゃんと俺の事、話しようって思ったんだ…」



修ちゃん……


「ただ、すぐ来れなくてごめん。色々立て込んでて……やっと落ち着いて来れたよ。オカンに、沙織が写真屋でバイトしてるって聞いて、ちょうどあの写真も振り返りたくなって……行ったんだ。全然、出てきてくれなかったけどな…」


ごめん……


「今日、絶対会って話するつもりだったから……待ち伏せなんかしちゃったよ。驚かせて悪かったな……」


修ちゃん……


「とりあえず……俺は、色々気持ち揺らいだけど……沙織と一緒に居たいんだ。また試験まで辛い寂しい思いさせると思うけど、側に居てほしい。
沙織も……色々と俺に言いたい事とかあると思うから……聞かせて。今後どうしたいかは、ゆっくり考えてくれればいいから……」



今後どうしたい?

そんなの答えは出てるよ……
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