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第5章 秋

ただヤるだけの道具になるのは嫌で、すがるように聞く。

すると、ずっと黙っていた口が開く。


「好きに…決まってるだろ……しっかり俺を見ろ…俺だけを……」


「修ちゃんしか…見てないよ……」


「もっと…もっとだ…」


唇を塞がれ、打ち付けられる腰の動きも早くなる…

耐えられず首を振り、口付けから逃れ


「ｯｯ……あぁぁぁ…しゅ…ちゃん…もう……はぁ…あｯｯ!!」


頭が真っ白になる…

修ちゃんも果てた様で、私を抱き締めながら呼吸を整えている…










「ごめん…俺、カッコ悪いな…」


珍しく私の胸に顔を埋めるように抱きつきながら言われる。


「沙織とゆっくり会えてなくて、まぁ俺が悪いんだろうけど…やっと顔見れた!!と思ったら、楽しげに話してて。
今まで全然気にしてなかったけど、そう言えば沙織は共学だし、クラスの奴ともあんな風に過ごしてるんかなぁ…とか色々考えたら……最低だな、俺」


いつもクールで、私だけが夢中なんだと思ってた。

だから、修ちゃんの言葉は嬉しくて。

なんだか可愛く思えて。

思わず修ちゃんの頭を撫でていた。


「修ちゃん…修ちゃんが私だけを見ててくれれば…私は離れないよ。側にいたいもん…」


ゆっくり顔が近付いてくる…

普段と逆だ…

いつも見上げる修ちゃんを、今日は見下ろしてる。

不思議な感じ。


柔らかな口付けを受け入れた……