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キセイジジツ
第11章 外出

教室はたくさんの生徒達で埋まっていた。

今はみんな黙って集中し、それぞれ与えられたお手本を見ながら筆を動かしている。


生徒達は下は小学一年生から、上は高校三年生までの年齢制限を設けている為、生徒が長田より年上になる事はない。

「大人の生徒さんはいないんですか?」と尋ねると
「自分より年上だと気を遣い過ぎちゃってダメなんだよね」と言っていた。


よくよく話を聞くと、以前は大人も生徒としていたらしいのだが、特に20代・30代の女性は指導していく内にその目付きが変わっていったらしい。

それぞれが長田の気を引こうと隙さえあれば色目を使うようになり、指導どころではなくなったとか。

それからは問題が起きるのを避ける為、高校生までと決めて教室を続けてきた長田に、私は同情した。

ーーーモテるっていうのも大変だなあ。
年齢とかにも気を遣わなきゃいけないって…
問題さえなければ長田さん的には大人の生徒さんも指導したいんじゃないかなあ…。


長机の周りを歩きながら一人一人の筆の動きを見つめている長田は袴姿だけでも素敵なのに、眼鏡までかけていて言葉に詰まるほど格好いい。

普段は裸眼でも平気らしいが、書道の時は集中したいという事で視力を補助する為に眼鏡をかけてるとの事で、私は見とれてしまった。

ーーーあれはダメでしょー!!ダブルパンチ過ぎ!
色目を使ってた人達の気持ちも分からなくはないよー
うん。やっぱ長田さんが悪いな。

立ったまま悶えたり納得したりしていると長田の声。

「佐田先生」
「はい、長田先生。何でしょうか?」

笑顔で長田へ顔を向けると、破壊力満点の笑顔を返された。

「ちょっと別件の電話が入ったから、ここは佐田先生に任せていいかな?」

携帯を手にして困った顔をしていた。

「もちろんです。任せて下さい」
「助かるよ。…みんなー先生は少し席を離れるから、質問があれば佐田先生に聞いてねー」

長田がそう言うと生徒達は顔を上げて「はーい」と返事をし、すぐ筆に集中した。


今日は小学生が10人・中学生が7人・高校生が4人の計21人がここにいるのだが、みんな特に指導をしなくても大丈夫なほど上手で、私は手持ちぶさたを感じていた。

その時、急に玄関が開く音がして「遅刻しましたー」と声と共に教室の襖が開かれる。

高校生くらいの男の子が立っていた。
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