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夢のその先…
第14章 家庭訪問

「和哉は学校の事は…
何一つ話してはくれません
和哉…学校で…」
虐められたりしてませんか?
と、聞くつもりなのに…
涙が零れて…言葉が上手く出なかった
匡哉はハンカチを差し出すと
「和哉君は学校では人気者ですよ
皆に好かれ、慕われてる
お母さん想いのとても良い子です!」
と、朝陽を安心させる言葉を紡いだ
朝陽は匡哉にハンカチを手渡され…
それを受け取り、想わず零れる涙を拭った
「すみません。」
朝陽は謝り
「ハンカチは明日洗濯して和哉に持たせます! 」
と匡哉に言った
「差し上げますよ!
では、今日はこの辺で。
和哉君、次のお宅へ案内お願いするね!」
匡哉は立ち上がり、ファイルを持ち直す
和哉は玄関に降り靴を履いた
「母ちゃん、先生を次の家に案内してくるな! 」
和哉が元気良く言うと
朝陽は玄関に座ったまま
深々と頭を下げた
「これからも宜しくお願いします」
三つ指ついて…頼まれて…
匡哉は苦笑する
「それでは失礼します!」
匡哉は最後まで担任としての姿勢を崩す事なく
…切り抜けられて
息を吐き出した
顔を上げた朝陽の顔を…
まともに見て
あの頃の感情が蘇る

