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夢のその先…
第18章 命
時々…隣のベッドの匡哉を、見る
匡哉は眠っていた
あまり血色が良くない
血を沢山取りすぎたからだよね…
朝陽は…心配になった
和哉を助けて欲しかった
でも…匡哉に何かあったら…
今度は…それはそれで…申し訳ない
匡哉さん
朝陽は…匡哉の名を呼んだ
眠る匡哉の顔は…窶れて…青白かった
元気で誰からも好かれる人気者
和哉の姿が…そこに在った
「知っていたのね…」
朝陽は呟いた
『戸籍こそ入っていませんが 僕が父親です』
匡哉が言ってくれた言葉を…
胸に刻む
父親です
和哉を助けてくれたのは…
和哉と血を分けた…匡哉だった
紛れもなく…匡哉の血を引く…
朝陽は…
匡哉の唇に…
軽く…キスを落とした
ありがとう
そして…さよなら…
朝陽は…匡哉に別れを告げた