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第6章 恋愛は癒し？

「…っ―――…！！！」

あまりの衝撃に、思いっきり起き上がった勢いで後ろにひっくり返りそうになってバランスを崩した。

「ちっ、かちゃっ…！」

思わず目をきつく閉じたけれど、衝撃に襲われることはなく、何かに包み込まれながら倒れ込んだ。

ガタガタッ…ドスン。

痛くはないもののすごい音に驚いて目を開けると、私は一ノ瀬さんに抱き止められて、仰向けに倒れた一ノ瀬さんを下敷きにしていた。

「いて、てっ…大丈夫？」

「はい、すみませんっ！」

そう言って起き上がろうとしたけれど、一ノ瀬さんが腕に力を入れて抱き締めてきたから、起き上がれない！

「はは、良かった。知花ちゃんテンパりすぎで…ククッ、もう、たまらないな。」

笑いながらぎゅっとされて、心拍数が上がる。

「ちょっと、知花？すごい音したけど…」

「お前ら、だいじょ…ぶ…」

上から降って来た言葉に身体が固まった。
いや、上でみんなも固まっているのが背中越しでも分かる。

「お前ら、何してんの？」

星さんの呆れたような低い声が聞こえた。
一ノ瀬さんの腕の力が緩んだのを見計らって、勢いよく起き上がった。

「だっ、大丈夫でしたかっ！？ありがとうございます！」

「ははは、俺が意地悪しすぎたからね。」

クスクス笑いながら一ノ瀬さんも身体を起こす。

「はぁ、お前らなぁ、ここで始めんなよ。」

立ち上がった一ノ瀬さんが、手を引いて私も立たせてくれた。

「何度も言うけど、ここ、俺んちだからね？」