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この出会いは…
第1章 最悪な出会いと最低な再会
「す、すみません。」
ペットボトルに手を伸ばすと、ひょいとかわされ、
「謝りすぎ。何回謝るの。」
と、ペットボトルを私の顔にくっつけた。
冷たさにビクッと身体を揺らした私を笑うと、隣に座って黙り込んでしまった。
沈黙が流れて、真面目な顔をした一ノ瀬さんを見ていたら、不安が押し寄せてきた。
沈黙に苦しくなって来たとき、一ノ瀬さんが口を開いた。
「ごめん。」
え?一ノ瀬さんが謝ってる?
「……ごめん。もっと早く気付かなくて。」
「え?えっと、あの。謝らないで、ください。」
「いや、ホントにごめん。」
一ノ瀬さんは頭を下げてごめんと言い続ける。
「いっ、一ノ瀬さんは何も悪くないですよ。頭を下げられると、ぎゃっ、逆に申し訳なくて…」
少し顔を上げた一ノ瀬さんの顔は、まだ申し訳なさそうな表情をしていた。
私がそんな顔をさせてしまっているんだ。
痴漢なんかにあわなければ!
しかし、痴漢というフレーズに、さっきまでの忘れたい出来事を思い出してしまって、またしても嘔吐感が迫ってくる。
「あの…うっ!」
吐く!?吐く!!吐く!!!
やばいやばいやばい!!!
「うぅっ…すみま、せん。私、ちょっと…お先に…。ありがと、ございましたっ。」
なんとか立ち上がり、ふらつく足を踏ん張って、その場を離れ、走って改札を抜けて、お手洗いを探す。
背後で一ノ瀬さんが何か言っていたような気もするけど、こみ上げてくるモノには勝てない。
私は改札横のお手洗いに飛び込んだ。
ペットボトルに手を伸ばすと、ひょいとかわされ、
「謝りすぎ。何回謝るの。」
と、ペットボトルを私の顔にくっつけた。
冷たさにビクッと身体を揺らした私を笑うと、隣に座って黙り込んでしまった。
沈黙が流れて、真面目な顔をした一ノ瀬さんを見ていたら、不安が押し寄せてきた。
沈黙に苦しくなって来たとき、一ノ瀬さんが口を開いた。
「ごめん。」
え?一ノ瀬さんが謝ってる?
「……ごめん。もっと早く気付かなくて。」
「え?えっと、あの。謝らないで、ください。」
「いや、ホントにごめん。」
一ノ瀬さんは頭を下げてごめんと言い続ける。
「いっ、一ノ瀬さんは何も悪くないですよ。頭を下げられると、ぎゃっ、逆に申し訳なくて…」
少し顔を上げた一ノ瀬さんの顔は、まだ申し訳なさそうな表情をしていた。
私がそんな顔をさせてしまっているんだ。
痴漢なんかにあわなければ!
しかし、痴漢というフレーズに、さっきまでの忘れたい出来事を思い出してしまって、またしても嘔吐感が迫ってくる。
「あの…うっ!」
吐く!?吐く!!吐く!!!
やばいやばいやばい!!!
「うぅっ…すみま、せん。私、ちょっと…お先に…。ありがと、ございましたっ。」
なんとか立ち上がり、ふらつく足を踏ん張って、その場を離れ、走って改札を抜けて、お手洗いを探す。
背後で一ノ瀬さんが何か言っていたような気もするけど、こみ上げてくるモノには勝てない。
私は改札横のお手洗いに飛び込んだ。