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この出会いは…
第7章 恋敵とないものねだり
「今みたいに誘われても、他の男の家にはついてっちゃダメだからね?」

「はっ、はい!」

一ノ瀬さんがもう一度苦笑いをして、再びごはんを食べだした。
クリスマスに男の人と過ごすのは正直、初めてだ。
あ、一人暮らしの男の人の家に行くのも初めてだ。
どうしよう、今から緊張してきた。
緊張してお腹どころか、胸も頭もいっぱいだ。
この生姜焼き定食…もう絶対食べられない。

「どうしたの?」

私の様子に気づいたのか笑って聞いてくる。

「あ…いろいろ、初めてな事尽くしで…焦って、い…ます。」

一ノ瀬さんが一瞬ポカンとした。
あっ、飽きられた!?
引かれたのかな!?

「あの…そっ、そういえば、星さんはクリスマス、どっ、どうするんでしょうかっ?」

話題を変えようと、唐突な質問をしてしまったけれど、一ノ瀬さんがふっと優しく微笑んだ。

「美怜ちゃんが気になるって?」

そういえば、聞かれていない。
美怜はホントに琴莉と過ごすのかな…

「後々…聞かれるかも、しれないので…」

「ははは、星ね。アイツは年末で経理の仕事が忙しいだろうから、いつも通りかな。残業して帰って、コンビニ弁当を食べて寝る。」

「そう…ですか……」

確かに、経理は絶対残業しなくちゃ帰れないだろうけれど…
コンビニ弁当か…
とりあえず、美怜に伝えておこうかな。
やっと一人前くらいの量になった生姜焼き定食を見ながら、ため息をついた。
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