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この出会いは…
第7章 恋敵とないものねだり
「24日よりは、25日の方が金曜日だから、帰りが多少遅くなっても平気かな?」

「あ、はい。私は大丈夫です。ただ、時期的に、一ノ瀬さんはお仕事忙しいですよね?大丈夫ですか?」

年末の25日、金曜日なんてめちゃくちゃ繁忙日だ。
大型冬休みの企業は翌日から休みに入るから、25日は特に業務が集中するのは、簡単に予想ができる。

「あの…ごはん食べに行くとして、クリスマスはどこも予約しないと厳しいですよね?仕事自体、終わる時間も分からないし…」

「うん。だからさ、俺の家でごはん食べない?」

「…はい?」

「この前の星の思い付きをそのまま提案してる訳じゃないよ!ただ、その方が融通がきくかなって。」

確かに、仕事の切り上げられる時間が分からないのはリスクが高い。
せっかく予約していても、キャンセルになってしまったら悲しい。

「そう…ですね。ご、ご迷惑じゃなければ…」

一ノ瀬さんの提案に頷いた私に、一瞬驚いたような顔をした。
あれ?私、何か間違えた…かな?

「ホント…天然だな。」

首を傾げた私の様子に、苦笑いでため息をついた。

「警戒心持ってね?一人暮らしの男の家に行くんだからね?」

……あっ!
そっ、そうかっ!!!
あれ、どうしよう。行くって言ってしまった。
前言撤回した方がいいのかな?

「ふふっ、そんな慌てなくても、何もしないよ。約束する。」

一向になくならない生姜焼き定食の向こう側で、一ノ瀬さんが肩を揺らして笑い始めたのが視界に入った。
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