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この出会いは…
第12章 誕生日
「ど、どうしてですかっ?」

「実際に一緒に過ごして、幻滅されたり?」

「し、してないですよ!一ノ瀬さんと一緒にいる時はいつも楽しいですっ!いつも感謝してますし、私、幸せですよっ!?…あ――…」

『あ…』まで言って、赤い顔をさらに赤くした。
我に返って恥ずかしい?
知花ちゃんの反応がいちいち可愛くて、顔がニヤけてしまう。

「ふふっ、すごい心臓の音。」

腕の中で身体が密着して知花ちゃんの鼓動が伝わってくる。

「だ、って…」

「俺だってドキドキしてるよ?ほら、ね?」

少し身体を離して、知花ちゃんの手を自分の胸に当てた。
驚いて顔を上げた知花ちゃんと目が合う。

「知花ちゃん。」

知花ちゃんの両頬に手を添えて見つめる。

「何が初めてで、何が初めてじゃないとかは関係ない。俺たち二人が楽しければいいんだから。」

俺の言葉に驚いた顔をしたと思ったら、次の瞬間には俺の背中に腕を回して、抱きついていた。

「一ノ瀬さん!」

反射的に知花ちゃんを腕の中に閉じ込めて、髪を鋤くように頭を撫でた。

「俺たちは俺たちのペースで進んでいこうね。」

腕の中の頭がコクコク縦に振れる。
ぎゅうと力を込められて、腹の奥がゾワリとした。
沸き上がってきた衝動のまま、知花ちゃんの首筋にキスをした。

「え、あのっ、いちの、せ、さん…?」

顔を上げた知花ちゃんの顎を捕らえて、口を塞いだ。
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