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この出会いは…
第12章 誕生日
祐side↓

あまりにも大人しくなって、小さく丸まった知花ちゃんの姿に少し不安になった。
本気でイヤなのに、俺に流された?

「い、やでは…ない、です。ただ、恥ずかしくて…」

視線をさ迷わせながら呟く知花ちゃん。

「あの…こういうのっ、初めてで…」

そこまで言って、チラッと俺の反応を覗き見てくる。
すぐ不安になるんだから。
こんな事くらいじゃ…いや、何を言おうとしていても、呆れたり、嫌いになったりなんかしないよ。
思わず知花ちゃんの頭に触れていた。

「…旅行が?それとも、お風呂に一緒に入るのが?」

「えっと…両方です。旅行も、お風呂もですし、誕生日とかクリスマスとかを一緒に過ごすのも…一ノ瀬さんが初めてです。」

頭に触れたまま固まってしまった。
全部、初めてだったって事?

『いろいろと初めて尽くしで…』

そう言えば、クリスマス前にそんな事を言っていたな。

「だから、その…ここ数ヵ月の出来事が、私にとっては初めてだらけで…いろいろ頭が追いつかなくて…」

最後に小さな声で『すみません』と呟いた。
かわいい。
体育座りがどんどん縮こまっていく姿がかわいい。

「ふふっ、どうして謝るの?」

知花ちゃんの肩をつかんで向かい合って、そのまま抱きしめた。

「あ、呆れませんか?」

「全然。っていうか、俺がちゃんと出来てたか不安になって来た。」
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