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この出会いは…
第13章 かけがえのない人
「あ、でも…」

祐さんがピタッと動きを止めた。

「さっき、俺、暴走した自覚あるからさ。」

「はぁっ、はぁ、…――えっ?」

「やっぱり我慢しよ。ふふっ、知花ちゃん、ふにゃふにゃだしね。」

「っ………!!」

からかうように笑いながら、クイッと腰を持ち上げられた。

「あ、あぁっ…、や……」

私のナカから祐さんが出ていく瞬間に、勝手にそう声が漏れた。
また、祐さんがピタッと止まる。

あ、声っ……

「………や、なの?」

膝の上に降ろされた状態になって、驚いた表情の祐さんと目が合った。
思わず目を反らしてしまった。

声が…なんでっ……

「知花ちゃん…?」

「へっ?あっ…、やぁん!」

近づいてきた唇に、首筋を軽く吸われた。

「"やだ"って言おうとしたの?」

「違っ!か、勝手にっ…声が………」

私の首筋を優しく往き来する唇。
その唇がクスクスと笑い始める。
首筋から与えられるくすぐったい刺激に身体がピクッと反応を始めた。

「んっ、はぁ…っ、ふ……んぁっ」

「あーあ、そんな声だして。」

目の前に戻ってきた祐さんに唇を塞がれた。

だって…
ホントに勝手に、口からこぼれてしまった。
だって…や、じゃ…なかったの……
何でなのか分からないけど、ホントは"止めないで"って思ったの…

キスに応えていると身体が震え始める。
けれど、これでは切なくて苦しい。

「たっ、すく…さ……ぁっ…」

「……こんな顔しちゃって。」

唇を離した祐さんが、私の頬を包みながら、尚も楽しそうに笑っている。
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