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この出会いは…
第13章 かけがえのない人
旅行二日目は、朝食を旅館のレストランで食べて、チェックアウトをした後、箱根湯本の温泉街を歩いた。
温泉まんじゅうを食べて、お土産も買った。
お洒落でかわいいカフェでお茶をして、箱根を離れた。

「一度、知花ちゃん家に荷物を置きに行っていい?」

「あ、はいっ!」

「それから俺ん家寄って車置いて、晩ごはんどうするか考えようか。」

祐さんの提案に頷いて、そのままハンドルを握る祐さんの横顔を見ていた。
じっと見ていると、心臓が慌ただしくなってくる。

「祐さん。手を…繋いでもいいですか?」

祐さんは運転中なのに、思わず漏らした私の呟きに、一瞬驚いた後、すぐにフワリと笑って左手を差し出してくれた。
その手にそっと触れる。

「祐さんっ、あの…。いっ、いつか…ピンキーリングの隣の指にプレゼントを、い、頂ける時は…、わっ、私も一緒に、祐さん用のプレゼントを、選びに行ってもっ、い…ぃですか?」

「……意味、分かってたの…?」

一瞬の沈黙の後、祐さんが呟いた。

「えっと、朝、お風呂に入っている時に…」

「やっぱりあの時は気付いてなかった?」

祐さんがクスクスと笑いだした。
わっ、笑われた!
でも、怒っては、ないの…かな?

「あの時は…、ごっ、ごめんなさ…ぃ…。」

幻滅した…?
チラッと祐さんの表情を伺う。

「ふふっ、大丈夫。想定内だから。」

そう言って、指を絡めてぎゅっと手を握られた。
私だって祐さん以外考えられない。
強く強くそう思った。
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