この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
自己負担。
第10章 明かされる真実
「でも先輩!
わたしすごく救われてました。現実を受け入れるのが本当に苦しかったから。
だからこそ、先輩の思いには答えられないって
もっとはやく言えばよかったんです…
ごめんなさい…」
「葉月……。
俺の身勝手に付き合ってくれてありがとう。」
先輩の目には涙が溜まっていた。
わたしはそれを見ないふりをして笑顔をみせた。
先輩の顔が近づいてきて、わたしはゆっくりと目を閉じた。
そして一瞬だけ先輩の震えた唇がわたしの唇に触れた。
きっとこれが最後のキス。
「葉月への思いはそう簡単には忘れられないと思うけど。
やっぱり俺は夢乃も放っては置けないからさ。」
「はい…。
夢乃先輩のこと、幸せにしてあげてください…」
「葉月も…ね。」
先輩の目から涙は消えていて、
お互い手を振って笑顔で別れた。
これで良かったんだ。
この前とはちがう。
お互いに前を向くんだから、私も踏み出さなければいけない。
私は一度も振り返ることなく公園を後にした。
.