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自己負担。
第11章 明という人
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私は先輩と別れたあの日、
《この前はごめんね!
先輩とも、夢乃先輩ともちゃんと話し合って前に進むって決めたから、
また会ってもらえないかな?》
という内容のメッセージをアキに送った。
自分の思いに素直になるとは言ったものの、
いきなり告白は難しいし、
まずはアキが私に会ってくれるようにならなければ何も進まない。
アキからの返信はなかなか来なくて、
何度も何度も携帯を見て、
めげそうになった。
翌日の昼頃に連絡は帰って来たけれど、
《明日の放課後なら》
という淡白な内容だった。
先輩と学校であんな事をしていた私なんかと会いたくないのかな…
なんて消極的な考えも浮かんできた。
気づけばアキのことを考えてぼーーっとして、
授業にも食事にも何に関しても集中できなかった。
「ごめん、待たせた?」
「うっううん!大丈夫!!」
校門でアキを待っている間も緊張して全く落ち着かなかった。
お互い黙って歩き出すけど、
アキは無表情で何を考えているのか感情が読めない。
毎日一緒に帰っていたときはあんなに笑ってくれたのに…。
私はアキの袖を掴んで立ち止まった。
後ろに引っ張られる感覚に気づいたアキも立ち止まる。
「…葉月?」
「…ッ……ごめんなさい!
私のせいで夢乃先輩をたくさん傷つけちゃったし、
でもこれじゃだめだってちゃんと先輩とも別れて夢乃先輩にも謝ったの。
アキが怒るのもわかるけど、
許してもらえないかな……」
言いながら涙が滲んできた。
今顔をあげたら絶対に泣く。
だからアキがどんな表情で私の話を聞いているのかわからない。
ドキドキしながらアキの返事を待った。
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