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自己負担。
第11章 明という人

はじめて余裕のないアキをみて、
いたずら心が湧いてきた。

私もアキと同じように座り込んで見つめるけど、一向に目があわない。

顔を隠して目をそらすアキに四つん這いになって近づく。

そしてアキが私の行動に気づいて目が合った瞬間、ネクタイに手をかけてシュルシュルっと首から引き抜いた。




アキが欲しい。




またアキの熱を感じたい。
そう思うのは私だけ?


「おまっ…ふざけんなよ…」


アキは勢いよく立ち上がり私の手を掴むと、
ベッドへと強引に引っ張り込んだ。

「ッ!?アキ…?」

あまりのアキの行動の早さに驚いて
瞬きすると、目を開く前に唇にアキの感触を感じた。


「っん……ん…」

ああ、いつぶりだろう。
アキの唇はいつもあったかくて柔らかくて、
とろけてしまいそうになる。

唇を強く押し付けられたまま
腕をベッドに抑えこまれて、
苦しくなって息を吸い込もうとすると同時にアキの舌が入ってくる。

チュルチュルと舌を絡め取られて、
アキの熱が直に伝わってくる。

「あっ…ん……んんっはあ…」

お互い息が苦しくなって限界になるまで舌を絡ませる。


アキの部屋には2人の唇の間から漏れる荒い息遣いと、唾液と舌がこすれ合う水音が響く。



気持ちいい…


どうして私はあの時自分の気持ちに気付かずに先輩のもとに行ってしまったんだろう。

こうしてもう一度アキの熱を感じれるなんて思わなかった。

息苦しいけどやめたくなくて、
ひたすらアキの舌に自分のそれを絡みつける。


このまま離れたくない…


そう思ったら閉じていた瞳にうっすらと涙が滲んで、目尻から耳の方に向かってツーと流れた。


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