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自己負担。
第5章 残ったもの
本当は全部がウソだったんじゃないかなんて期待して
今でも私は先輩の彼女で、
「今日も夢乃先輩と一緒に帰るのかな…」
なんて思いながら窓の外をみる。
でも何度目を閉じたって、
先輩のあの哀しそうな顔ばかりが浮かんで…
あの日のことを思い出すだけで、
自然と目が潤んでしまう。
こんなことなら、
別れるんじゃなかった……………?
付き合っていたころよりも醜い嫉妬。
くるはずのないメールを期待して。
もう一度あの手に触れられたら…
そんなこと思い続けてもう一週間。
優華のはからいもあって
この荒んだ心に変化が訪れることに
私はまだ気づいていなかった。
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